かつては毎年のように夏休みシーズンに放送されていた『火垂るの墓』。
戦争の悲惨さを描いた名作で、多くの視聴者に深い感動を与えました。
しかし、ここ数年、地上波での放送がほとんど見られなくなり、子どもたちの中にはこの作品を知らないという世代も増えているかもしれません。
実際に、2018年4月13日の高畑監督追悼放送以降、放送されていません。
一体なぜ『火垂るの墓』は放送されなくなったのでしょうか?
そして、今海外での反応が高まっているのはなぜなのでしょうか?
その理由を調べてみました。
『火垂るの墓』とは?
『火垂るの墓』は、作家・野坂昭如の同名小説を原作に、スタジオジブリが制作したアニメ映画です。
物語の舞台は第二次世界大戦中の日本。
空襲で母を失った少年・清太と幼い妹・節子が、戦争の苦難の中で懸命に生き抜こうとする姿が描かれています。
しかし、彼らを待ち受けるのは悲劇的な結末。
作品全体を通じて、戦争の恐怖、家族の絆、そして命の儚さが胸に迫る作品です。
『火垂るの墓』が放送されなくなった理由とは?
『火垂るの墓』が放送されなくなった理由を調査してみると、以下の理由があがっていました。
1. 内容の重さと視聴率の低迷
『火垂るの墓』のテーマは非常にシリアスで、特に若い視聴者にとってはショッキングな描写も多く含まれています。
そのため、家族で気軽に楽しめる他のジブリ作品に比べると、視聴率が低下し、テレビ局も放送を控えるようになりました。
2018年に高畑勲監督を追悼して放送された際も、視聴率は思わしくなく、これが地上波から遠ざかる一因となっています。

確かに、見終わったあと気分が落ち込みますね・・・
2. 商標問題が影響?
作中に登場する節子が持っていた「サクマドロップス」の缶が、実際のサクマ製菓の製品であることから、兄弟間での商標争いが問題視され、一部でこの商標トラブルが作品の放送に影響を与えたのではないかとも噂されています。



ドロップ缶は「火垂るの墓」と定着しましたよね。
3. 反戦アニメとの誤解
『火垂るの墓』は戦争の悲惨さを描いた作品ですが、反戦を直接的に訴える意図はありません。
しかし、戦後の複雑な情勢の中で、反戦アニメとして誤解され、その影響で放送を避ける動きが出た可能性もあります。
4. 子どもへの影響を懸念する声
物語には空襲のシーンや死に至る病気の描写が含まれており、これが幼い視聴者にとってはトラウマとなりかねません。
そのため、「子どもに見せたくない」という保護者の声が少なからず上がっており、放送を控える要因となっています。
5. 主人公・清太への批判
一部の視聴者からは、主人公の清太の行動に対する批判が寄せられています。
彼が親戚に頼りながらも働こうとせず、妹の節子にも厳しく当たる姿に対し、共感できないと感じる人もいるようです。
この批判が作品の放送をためらわせる理由の一つとも考えられます。
『火垂るの墓』今なぜ海外での反応は?
地上波ではあまり放送されなくなった一方で、海外(英語圏)での反応が高まっているというニュースがありました。
今回再注目されたのは、『火垂るの墓』がNetflixにて9月16日より世界190か国以上で独占配信開始となったためです。
映画を見た海外の人の反応は、
- 「ようやく見られた」
- 「涙がこぼれた」
- 「心が打ち砕かれるような体験」
- 「一度観たら忘れられない」
- 「人生で最も悲しい映画の一つ」
などの声が上がっていました。
日本ではジブリ作品は配信されていないため、観ることはできませんが、過去には日本テレビの「金曜ロードショー」にて1989年から13回にも渡って定期的に放送されていました。
日本は今回の世界配信の対象外となり「金曜ロードショーで放送してほしい」「そろそろ見たい」という声も上がっているようです。
『火垂るの墓』実写版はある?
火垂るの墓は、2005年に松嶋菜々子さんと井上真央さんが出演したスペシャルドラマとして実写化されたました。
また、2008年に放映された映画版では、清太(吉武怜朗)と節子(畠山彩奈)の母親役に松田聖子さんが演じています。
この映画は「叔母」の視点が追加されていることで話題になりました。
これに対して、「叔母の厳しさが戦時中の現実を反映している」と理解を示す意見や、「叔母に対する共感ができた」という声もあります。
一方で、「叔母が過剰に悪者として描かれている」と批判する人もいました。
また、「実写だとどうしても残酷なシーンが生々しく映り、見るのが辛い」という声もありました。


まとめ
『火垂るの墓』が地上波で放送されなくなった理由として、
- 視聴率の低迷
- 商標問題
- 反戦アニメとの誤解
- ショッキングな描写に対する懸念
- 主人公への批判
など、様々な要因が絡み合っていました。
しかし、この作品が持つメッセージは今もなお色あせることはなく、戦争の悲惨さや命の尊さを伝える重要な作品であることは間違いありません。