映画「国宝」の人気がすさまじいですね!皆さんはもう観に行かれましたか?
実はこの映画、原作があるのをご存知でしょうか。
吉田修一さんの800頁を超える長編小説『国宝』が映画化さたものです。
歌舞伎界を舞台に、「血筋」「才能」「芸道」を巡るドラマが濃密に描かれる本作ですが、映画と原作では描かれ方がかなり異なる部分があるんです。
映画を観たあなた、原作を読んだあなた、それぞれが感じる「違和感」や「感動」の理由を、登場人物・演目・ラストなどの観点から徹底比較します。

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「国宝」映画と原作の違い
項目 | 映画 | 原作 |
---|---|---|
人物 | ・徳次は序盤のみ ・春江の選択が唐突 ・彰子は支える妻として描写中心 | ・徳次が全編で重要な役割 ・春江の心情が丁寧に描かれる ・彰子の人間性が深く描写される |
演目 | ・俊介の最後は「曾根崎心中」 ・代役や化粧シーンなど映画オリジナルあり | ・俊介の最後は「隅田川」 ・淡々と芸道の積み重ねを描く |
ラスト | ・人間国宝の到達点を強調 ・華やかで感情的なクライマックス | ・人間関係や血筋も含め余韻を残す ・「芸とは何か」を問いかける構成 |
1.人物の描かれ方
- 喜久雄(吉沢亮)
本作の主人公。任侠の家に生まれながら歌舞伎役者となり、芸道を極めていく人物。 - 徳次(喜久雄の幼なじみ/付き人)
- 映画では…序盤に登場するだけで、その後は姿を消す。
- 原作では…喜久雄を支える重要な存在として全編に関わり、友情と忠義を体現する人物。
- 春江(高畑充希)
- 映画では…俊介を選ぶ展開が唐突で、理由の描写が弱い。
- 原作では…喜久雄との関係性や心情の変化が細かく描かれ、俊介を選ぶことに納得感がある。
- 彰子(喜久雄の妻)
- 映画では…「支える妻」としての存在にとどまり、背景や葛藤はあまり描かれない。
- 原作では…強さや矛盾を抱えた複雑な人物として描かれ、夫婦関係もより立体的。
2.演目の扱い
- 俊介(松村北斗)の最後の舞台
- 映画では…「曾根崎心中」が最後の演目。
- 原作では…「隅田川」が俊介の最後を飾る。
- 追加演出
- 映画では…喜久雄が「曾根崎心中」の代役を務める場面や、俊介が化粧をする印象的なシーンなど、映像映えするオリジナル要素が加えられている。
- 原作では…芸道を淡々と積み重ねる姿が重視され、演出より人物の内面が際立つ。
なぜこのような違いが生まれた?
映画では映像として見せる力やドラマティックな構成が重要、観客の感情を引き寄せる「瞬間」を強調したいという意図が強く出せるからだと推測されます。
演目を変えたり、登場人物の描写を削ることでテンポを持たせ、映像作品ならではの見せ場を作っているからでしょう。
原作はページ数と時間をかけて人物の内面や関係の変化、葛藤をじっくり描けるため、読むことによる深さや複数の視点からの理解を促します。
「どうしてその選択をしたのか」「血筋や才能をどう受け止めるか」といった問いが自然と読者の中に残りますよね。
映画と原作、どちらも観た人の感想は?
まとめ
原作の『国宝』と映画の『国宝』は、同じ物語を描きながらも「見せ方」がかなり違うことが分かりましたね。
- 原作は人物の背景や心の動きをじっくり描き、人間模様を深く味わえる作品。
- 映画は歌舞伎の迫力や映像美を前面に出し、感情のピークを一気に体験できる作品。
どちらも魅力があり、片方だけでも十分楽しめますが、両方を比べてみるとより一層この物語の奥行きを感じられるのではないでしょうか。
「映画を観たから原作も読みたい」「原作を読んだから映像で観たい」──そんな楽しみ方ができるのも『国宝』の大きな魅力ですね!
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