2025年6月、実話を基にした社会派映画『フロントライン』が公開され、大きな話題を呼んでいますね!
舞台は2020年、新型コロナウイルスの感染が発覚したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」。
そこに関わった医療従事者たちの奮闘と葛藤が描かれ、多くの観客の涙を誘っています。
今回はそのストーリーの全貌と、筆者が感じた見どころを紹介します。

映画『フロントライン』は本当に実話?
2020年2月、日本中が緊張した中で報じられたダイヤモンド・プリンセス号の集団感染。
このニュースは世界中に衝撃を与えました。本作はその現場に立ったDMAT(Disaster Medical Assistance Team=災害派遣医療チーム:実在)の視点から、未曾有の危機と人間ドラマを描いています。
小栗旬演じる指揮官・結城英晴と、窪塚洋介演じる現場医・仙道行義の2人を軸に展開され、彼らの間に生まれる信頼や衝突が物語に厚みを与えています。
DMATって本当にある?
DMATって本当にある?
DMAT(Disaster Medical Assistance Team=災害派遣医療チーム)は、災害や大規模な事故、パンデミックなどの緊急事態に迅速に出動し、現場で救命医療を行う日本の専門チームです。
医師、看護師、業務調整員などで構成されており、短時間で現地に到着し、医療体制の立ち上げや搬送支援を行います。
映画『フロントライン』では、彼らの知られざる奮闘と使命感が克明に描かれており、観る者の胸を強く打ちます。
実在した医師たち
結城英晴(小栗旬) → 阿南英明医師
神奈川県DMAT調整本部長(当時)で、クルーズ船対応の最前線を指揮した実在の医師です
仙道行義(窪塚洋介) → 近藤久禎医師
DMAT事務局次長として災害医療の運営を担い、船内の医療チームの中心にいた人物がモデルです
真田春人(池松壮亮) → 高橋善明医師
浜松医科大学救急部の助教で、DMAT側から現場を支え、精神ケアに関わった実在医師です
六合(くにとも)医師(吹越満) → 岩田健太郎医師
感染症専門医としてYouTubeに動画を投稿し、船内の状況を告発した元モデルです 。

立ち向かう医師たちの行動や判断には心打たれるものがありました。
感染症との戦いだけじゃない…マスコミとの対立と世間の誤解
印象的だったのは、感染対応の情報がマスコミにより歪められ、現場が世間から非難されてしまう描写です。
特に、感染症専門医の六合(くにとも)医師(吹越満)が、自身のYouTubeチャンネルで船内の劣悪な環境を暴露したことにより、全国的に”対応の遅れ”や”放置”といった批判が加速します。
現場の混乱とそれに向き合う人々の誠実さが伝わる一方で、メディア報道の影響力に背筋が寒くなりました。



真田(池松壮亮)が口にする「ケアをする人もケアされるべきだ」というセリフは特に胸に響きました。
クライマックスは愛知・岡崎への壮絶移送
後半のハイライトは、愛知県の岡崎医療センターへ感染者をバスで5時間かけて移送するシーン。
途中で症状が悪化する乗客もいる中、自衛隊や警察と連携して、なんとか128人全員を無事に搬送する姿は緊張感に満ちていました。
この場面では、命を守るために一丸となる現場のリアルが強く描かれ、見ている側も思わず手に汗を握ってしまいます。



陽性と陰性が分かれた兄弟。それでも一緒に過ごすことを決めたお兄ちゃん。涙が出ました。
薬が必要な乗客への対応
物資が限られ、外部からの支援もままならない船内で、特に深刻だったのが持病を抱える乗客への医薬品供給でした
中でも、インスリンを必要とする糖尿病患者への対応は急務。
劇中では、仙道がDMATの仲間と協力して、外部から冷却保管されたインスリンを船内まで届ける姿が描かれます。
感染リスクを恐れず、薬を途切れさせない使命感に突き動かされる医師たちの姿は、まさに「フロントライン」そのものですね。
まとめ
『フロントライン』は、医療従事者、官僚、そして一般市民がそれぞれの立場で命と向き合った記録です。
この後、さらにコロナが大爆発してく状況、そして今もなお完全には消えていないウィルス。
私たちはこの数年で本当に色々な経験をしたと振り返る良い機会でした。
ぜひ映画館で、このリアルと向き合ってみてくださいね!